80代両親の暮らしを豊かに|久喜市・築50年木造住宅の自然素材増改築事例
築50年の木造住宅を、両親の今後の生活を見据え、バリアフリーと断熱改修を主眼に行ったリフォーム工事です。増築部は北側の水間周りの周辺です。増築に合わせて断熱材を新たに入れ、冬場のヒートショック対策にも配慮しています。
高齢者目線で徹底したバリアフリー設計
バリアフリー工事では、水回りの段差をなくし、移動の安全性を確保しました。キッチンには足腰に優しいコルクタイルを敷き、脱衣所には写真のような温かみのある木の手摺を取り付け、動作をサポートします。
手摺は高齢者以外にとっても、要所にあると便利なものですし、脱衣所やトイレではタオル掛けを兼用する場合も多いです。既製品の手摺だと冷たい印象になりがちですが、木の手摺は空間に自然な温もりを加えてくれます。
自然素材がもたらす心地よさ
「自然素材を積極的に取り入れる」という設計コンセプトは、健康的な住まいづくりに欠かせない要素です。
増築部分の天井には、心地よい香りと美しい木目が特徴の国産杉の羽目板を使用し、空空間全体に温かい雰囲気と落ち着きをもたらしています。また、調湿性や消臭効果に優れた漆喰を壁に用いることで、室内の湿度を快適に保ち、空気環境の改善に貢献しています。
これらの自然素材は、五感に心地よく働きかけ、日々の暮らしに安らぎと豊かさをもたらす空間を創造します。
快適性を追求した水回り
今回増築した浴室は、高齢の両親が安心して入浴できるよう、広さと安全性を考慮して1.2坪のユニットバスを採用しています。洗濯機置き場もゆったりとしたスペースを確保し、日々の家事が負担にならないよう、そして介護が必要になった時にも動線が確保できるよう配慮しています。
リフォームで暮らしを豊かに
築50年という歳月を経てきた住まいを、現代の暮らしに最適化するため、大規模な工事となりました。
しかし、このリフォームは単なる改修に留まらず、両親がこれから先もこの家で安心して、そして心豊かに日々を過ごせるよう、自然素材の温かさとバリアフリーの安全性を両立させた住まいとして計画しています。
この家が、両親にとって、これからも変わらない安心と活動の拠点となることを心から願っています。
施工場所: 埼玉県久喜市
施工面積: 約9坪
施工: 株式会社白石工務店
設計監理・撮影:木の家設計室アトリエ椿