古民家再生とSDGsの関わり 柏市【下田の杜】で講義を行いました
2021/07/05
自宅から歩いて10分ほどのところに、【下田の杜】という里山公園があります。
【下田の杜】は江戸時代末期ごろの景観を残している貴重な場所で、自然や地形を守るために20年以上前から保存活動が行われており、今はNPO団体が管理しています。
その中に「まてや」(この地方の方言で納屋・倉庫のこと)と呼ばれる築100年を超える民家があるのですが、建築士会柏支部の仲間と共に古民家の再生のボランティアをしています。
建物の保存活動は3年ほど前から始まりました。ご近所ということでお声かけいただき、スタートアップの時から私もメンバーとなっています。
その縁で勉強会の手伝いや講師なども頼まれることがあり、ここ3年ほどは大学生の課外授業の講師も務めています。
対象は、将来は小中学校の先生になる人も多い東邦大学習志野校舎の教養課程の学生たちです。
講義内容は基本自由に決めて良いことになっているのでメンバーで都度話し合って決めていますが、専門的な講義というよりは社会科の授業のベースとなるような、もう少し広い視野からのお話をしています。
今年も春に課外授業があり、私は「古民家再生の活動がSDGsの観点ではどんな意味があるのか」というテーマでお話しました。
講義内容の一部をこちらでもご紹介したいと思います。
古民家とSDGs
皆さんも新聞やニュースでこちらの17個のアイコンを目にしたことがあるかと思います。
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会共通の目標のこと
具体的には、貧困や飢餓といった問題から、働きがいや経済成長、気候変動に至るまで、「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されている
SDGsは、全世界の人が向かうべき目標として掲げられていて、開発途上国だけでなく先進国も含めで全ての国の、政府、自治体、企 業、NGO、学校など、すべての立場の人が、それぞれの立場や地域から取り組むことが求められています。
「17の目標」のうち、古民家再生の活動と深く関連のある項目を4つほどご紹介します。
7-エネルギーをみんなに そしてクリーンに
軒の出を深くすることで夏の強い陽射しはカットし、冬の低い陽射しは家の奥まで取り込む。
縁側は夏の暑さや冬の寒さなどの緩衝地帯として働く。
障子は断熱効果が高い。また、空気を遮断しつつ室内を明るくする。
電気の無い時代でも快適に暮らせるように自然のエネルギーを上手に使う工夫があった。
11-住み続けられるまちづくりを
補修できる軸組や塗りなおせる土壁など、「直せるように造るこ と」で補修をしながら家を長く使い続けるしくみがあった。
茅葺屋根を地域全体で手伝って葺き直すなど、地域で助け合うしくみがあった。
12-つくる責任 つかう責任
昔の民家は解体することになっても材料を再利用することができた。
今主流の家は解体後埋め立てゴミになるが、木と土で出来た家は最終的に燃料にすることができる。
15-陸の豊かさも守ろう
地域の材料を使うことで、山の手入れをしたり植林したりする循環のしくみがあった。
山の手入れがなされなければ自然災害の被害も大きくなってしまう。
こうして民家を通して昔の暮らしを知ると、今は失われつつある知恵があったのが分かります。少ない資源でやっていくために自然とできたシステムで、個人や一家族では成り立たないものも多いですね。
戦後はアメリカの影響もあり個人主義になっていきましたが、ここにきて社会そのものが変わった弊害が出ているのも感じます。
昔の暮らしの良いところを見直してみると、「持続可能な社会」というSDGsの17の目標達成にも大きく関わっていることが分かります。
古民家再生を通して、子ども達がそんなことを学ぶお手伝いが出来たら、と思っています。


















