【古民家改修】ボランティアで雨落ち製作 その1 ~柏市下田の杜にて
2021/08/24
3年ほど前から月に一度、柏市酒井根【下田の杜】にある古民家の保存再生にボランティアで関わっています。
【下田の杜】は市街地の真ん中に残された里山を公園にしたものです。
付近は雑木林や湧き水、自然堤防などで構成されていて、特に高台の雑木林と低地の水辺が合わさった土地は”谷津(やつ)”と呼ばれています。”谷津(やつ)”は、千葉県でよく見られる地形だそうです。
森の中には江戸時代に殿様の馬場として使われていた時の名残である【野馬土手】跡も見られます。
公園部分はいつもオープンですが、特に日曜日は私有地の築100年を超える古民家【まてや】のある旧家屋の周辺も公開されています。
昨年から建築士会柏支部の仲間と、下田の杜を保存・管理しているNPO団体『里山フォーラム』のメンバーで協力して【まてや】の雨落ち製作の作業をすすめています。
着手したのが12月ですから、月に一度とはいえ結構な作業量でした。
【まてや】というのは”しまっておく”が語源の方言らしいのですが、今でいう倉庫や物置です。
奥の木造の建物が【まてや】。
ご覧のとおり周囲には大木が茂っています。
雑木林なので特に落葉樹が多いのですが、軒先の雨どいに落ち葉が詰まってしまうと、屋根の先端の部材が常に湿っていることになります。
屋根の部材も基本的には木材で作られていますから、徐々に腐っていってしまいます。
そこで、軒先を保護するために【雨落ち】(=雨の道、溝)を作り、樋を外すことを計画したのです。
雨落ち(あまおち)について
雨落ちは、屋根の軒先に樋を設けずに、雨垂れの落ちる場所の地面に溝や砂利敷などをして雨水を処理する方法です。
メリットは、軒樋が無いので落ち葉が詰まる心配がないこと、デザインがスッキリと見えること。
デメリットは、雨落ち部分の跳ね返りで建物が汚れる恐れがあることや、雨落ちの排水などのメンテナンスに手間がかかることです。
どちらにしても落ち葉が多い場所ではメンテナンスフリーとはいきません。
しかし、落ち葉が多い場所ではそれだけ頻繁に取り除かなければならないので、少なくとも足場や梯子を使った危険を伴う作業が要らなくなる分、雨落ちの方が有利です。
桂離宮の雨落ちなどは、機能だけでなく飛び石の不規則な配置と対比させたりととても見事なデザインです。
今回は雨樋のメンテナンスが難しい二階部分の雨樋を外すのが目的です。
実際の作業についてはその2でご紹介します。
アトリエ椿では古民家の再生や改修、築15年程度から100年を超えるものまでさまざまなリノベーションを手掛けています。
お住まいの家屋の他、ご実家などのお悩みなども承っております。どうぞお気軽にご相談ください。


















