耐震診断その①建物の耐震性能とは?新耐震と旧耐震とは?
2021/12/01
今日から12月、今年もあと1か月となりました。
この秋は、コロナの緊急事態宣言がひとまずの休止となりましたね。久しぶりのレジャーに出かけた方も多かったのではないでしょうか。
私も前半は家族とキャンプに行ったりしていましたが、後半からは住宅の改修などの打ち合わせで忙しい日々を過ごしていました。特に、10月頃に大きな地震が続いたこともあり、耐震診断や耐震補強を伴うリフォームのご相談が相次いておりました。
ここでは、耐震診断の概要や流れ、気になる費用について解説します。
住んでいる家や実家の耐震性に不安がある方や、耐震診断や耐震補強を依頼するか迷っている方の判断材料として、役に立てていただけたらと思います。
建物の耐震性能について
耐震診断では、建物の構造的な強度(=耐震性)を調査して地震の時の安全性を確認します。
実際の耐震性は建物本体だけでなく、周囲の地盤など含めた調査をしてみないとわかりません。
しかし、実は建てられた年代によって、ある程度の予想をすることが可能です。
建物の耐震性能は建てた年代によって異なる!
現代の日本では、自分だけが住む家であっても地震で倒壊の危険性がある耐震性の低い家は作れないことになっています。
といのは、耐震性は建築基準法や建築基準法施行令などの法令で規定されているから。
都市計画区域外、つまり市街地から外れた田舎などでは適用されませんが、一般的に市街地であれば建築基準法で定めた数値以上の耐震性能を持つことが義務付けられています。
建築基準法は大きな地震の都度、耐震性の基準が厳しくなっています。
1968年の十勝沖地震、1978年の宮城県沖地震などの検証を基に、その後建築基準法が改正されています。
特に一度目の大きな改正は1981年のもので、先に起こった宮城県沖地震を踏まえたものです。
これが、建てられた年代により、ある程度耐震性が予想できる理由なのです。
旧耐震と新耐震の違い
1981年の改正により住宅の耐震性は大幅にアップしました。
そこで、それ以前の基準で作られたものを旧耐震、以降のものを新耐震と呼んでいます。
新耐震基準では、より大きな地震にも耐えられる強度が要求されるようになりました。
旧耐震・・・中規模(震度5強程度)の地震で変形・倒壊しないこと
新耐震・・・大規模(震度6強~7程度)の地震で変形・倒壊しないこと
新耐震でも2000年以前の住宅は安全性が低い
新耐震になって大幅に安全性がアップした日本の住宅。
しかし、阪神淡路大震災では、残念ながら多くの新耐震の建物が被災しました。
そこで、阪神淡路大震災を踏まえて、2000年に建築基準法は二度目の大きな改正となりました。
それにより、
・地盤の強度が重視さるようになった
・建物の接合部や筋交いに規定の金物を取り付けるのが必須となった
・耐力壁をバランス良く配置することが必須となった
など、細かい規定が定められました。
それまでの家づくりは、南側に縁側があってほとんど壁が無いような家が普通でした。
壁のバランスに対する規定が無かったため、そのような家でも北側に一定量の壁があれば計算上OKになっていました。
ちなみに、昔の家と最近の家で家の作りが変わったのも、大きな掃き出し窓が連続するような日本家屋が少なくなったのも、建築基準法が改正されたことが一因です。
以上のことから、新耐震の建物でも1981年から2000年の間に建てられたものは安全性が充分ではありません。
特に、南側に広縁があるようなタイプの日本家屋は、地震の横揺れで柱が耐えきれなくなり、倒壊するということが心配されます。
私も日本家屋や古民家の風情は大好きで、なるべくそのままの形を多く残したいと思っています。しかし、大切な命には代えられません。
耐震診断を受けた後に適切な耐震補強設計を行い、筋交いの両端への金物の追加などの補強をすることが望まれます。
長くなったので続きます!
次回では引き続き、耐震診断の流れや耐震補強の実際の工事について解説いたします。


















