リフォームで住まいの環境を改善【埼玉県久喜市　エコリフォーム】｜News & Topics｜柏市の設計事務所「木の家設計室 アトリエ椿」 古民家リノベーション

7月に竣工したリフォーム工事のご報告です。

昨年１階の教会堂のリフォーム工事を行った、埼玉県久喜市の木造の教会堂【栗橋キリスト教会】。今回は２階の牧師さん宅の内装リフォーム工事の設計を担当させていただきました。

今回の主な目的は室内の空気環境の改善です。

小規模な内装工事ですが、工事内容をご紹介したいと思います。古い住宅の結露やカビに悩みのある方や、住環境を改善してより健康的な生活を目指している方のご参考にしていただけたらと思います。

既存の建物の問題点

こちらの教会堂は築40年ほどの木造の建物で、１階が教会として使われており、２階の住居部分は通常の住宅とほぼ同じ作りとなっています。

ワンルームで日当たりも良いのですが、やはり築年数が古い木造住居なので断熱性・気密性が低く、冬場の隙間風や結露が問題になっていました。

加えて、周囲の畑や国道からのホコリ、車の騒音も悩みの種でした。特に外部からのホコリは、畑の土に含まれる堆肥や農薬などの心配材料もありました。

住人である牧師さんは、以前にこの建物内で押入のカビに暴露して呼吸器系にトラブルが発生したことがあります。

それもあり、リフォームで使用する建材からも化学物質の発生が少ない仕様が求められました。

快適な湿度を保つリフォーム工事

室内環境改善のために、今回は次のような工事をしていきました。

化学物質の発生を抑えるために、合板や接着剤を使わないで済むような建材や仕様を選んでいます。

１、カビっぽかった押入、物入の壁・天井に調湿性のあるボードを設置

調湿建材は、室内の湿度を適切なレベルに保つための素材です。

通常、吸湿・放湿の能力を持ち、湿気を吸収して蓄え、室内が乾燥しすぎると湿度を放出します。これにより結露やカビの発生を防ぎ、健康的で快適な環境を提供します。代表的な調湿建材には、吸湿性のあるセルロースファイバーの断熱材や、調湿効果のある漆喰塗料などがあります。

今回は押入内部にタイガーハイクリンスカット押入ボード、という特に吸湿効果の高いボードを使用しました。押入ボードとありますが、もちろん室内であればどこでも使うことが可能です。仕上げにクロスを貼ったり塗装をしないでそのままで使うことができるので、ローコストで導入できるものです。

また、外部に面する物入は、特に気温と室温の温度差による結露が出やすい部分です。外部に面する造り付けの洋服ダンスは、扉や引出しを撤去してオープンなクローゼットにし、同じように押入ボードを張りました。

結露の心配が少なくなったとはいえ、空気が動かない部分ですのでどうしても空気が湿っぽくなりがちです。お施主さんには、なるべく7割程度までの容量で使っていただくようおねがいしました。

２、ビニールクロスだったトイレ、脱衣所の壁・天井は吸湿性のある塗料を施工

同じく室内の空気環境の改善のための施工です。

使った塗料は、VOCゼロや結露抑制、調湿性、抗菌・防カビ性、消臭性など漆喰と同じような機能を持つドロマイトプラスターという塗装材料です。

漆喰よりも工期が短く、施工コストも抑えることができます。

今回ドロマイトプラスターを使ったのは、特に主成分であるドロマイトの強アルカリによる抗菌性効果を期待したというのもあります。

アルカリ性を持っていることにより微生物の成長を阻害して、カビや細菌の繁殖を抑制します。

窓枠まで同じ塗料で塗ったので、見た目にもスッキリとしています。

３、気密性が低く温度差のあったトイレ、脱衣所の窓に内窓を設置

4、気密性の無かった脱衣所の換気扇を密閉性のあるタイプに交換

古い窓と並び気密性が無いどころか、外部からホコリも入ってきていた換気扇を、高密閉電動シャッター付きのものに入れ替えました。

運転していない時に蓋が閉じ、外部の汚れた空気・ホコリや冷気の侵入を防いでくれます。

今回は主にこの4点の工事で室内環境の改善を図りました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。お住まいの改善が生活の改善につながることを願っています。