地域の風土に根ざす家。古の知恵【石場建て】の基礎が始まるまで
- 2025/12/13
現在、印西市で進めている伝統工法【石場建て】の家づくり。私の住む柏市からは、約1時間の距離の現場となります。
地業の後に石を据えるまでの基礎工事が終わると、木の骨組みをいよいよ木の骨組みを立ち上げる準備が整います。今回はその前に、こちらも重要な作業、「地盤の準備」からお伝えします。
「石場建て」の宿命:地盤の力を最大限に生かす

一般的な現代住宅では、地盤の弱さをコンクリートや杭で補強しますが、石場建てでは柱の下に据えた石を通して、建物の重さを地面に伝えます。
そのため、その土地の地耐力をどこまで高められるかが家づくりの成否を分けます。
基礎工事に入る前の地盤調査には、普段以上の深いこだわりと考察が必要になります。
割栗石で締め固めた後の「平板載荷試験」
前回の記事で、職人さんが割栗石(わりぐりいし)を何層にも敷き詰め、地盤を固める作業を黙々と進めている様子をお伝えしました。この作業は、家が建つ部分の地盤を物理的に締め固めて強度を高める、昔ながらの知恵です。
この地業が完了した後、平板載荷試験を実施しました。この試験は、通常の住宅の地盤調査では行われません。石場建てでは、コンクリート基礎に頼らず、地業(割栗石の敷き詰め)が完了した時点の地盤の強度を明確に把握する必要があるため、特別に行うものです。


直径30cmの円板に油圧で荷重をかけ、その沈下量を正確に測ります。今回の現場では、基礎の下の地盤が、設計で想定した荷重をかけてもわずか数ミリしか沈まないという、非常に安定したデータを得ることができました。
地面に隠れてしまう部分ですが、この確かなデータこそが自信を持って次の工程に進める理由となります。
工程は、まもなく礎石の据付へと移行します。そちらの建築的プロセスも、引き続きご報告いたします。


















