【竣工報告①】築50年住宅の自然素材キッチンリフォーム実例|無垢材×漆喰で健康的な住まいづくり
- 2025/06/09
前回のブログでご紹介した埼玉県久喜市の実家リフォーム工事ですが、先月無事に工事が完了しました。
設計段階でお伝えした自然素材にこだわった健康的な住まいづくりのコンセプトが、どのような形で実現されたかをご報告します。化学物質を使わない安心・安全なリフォームをお考えの方は、ぜひ実例としてご活用ください。
築50年木造住宅リフォームの背景
前回お伝えした通り、このプロジェクトは80代の両親が快適に暮らせるよう、バリアフリーと断熱改修を主眼に置いたリフォーム工事です。
リフォーム前の課題
- 手狭なダイニングキッチン: 家族が集まる機会が増え、従来の6畳のダイニングキッチンでは手狭に感じていました。
- 老朽化と断熱性の低下: 築50年が経過し、家の老朽化とともに断熱性能の低下が懸念されていました。
- 高齢者にとっての安全性: バリアフリーやシックハウス対策など、ご両親の安全・健康面での配慮が必要でした。
設計コンセプト①:家族が集まれるダイニングキッチンへ
「家族みんなで食卓を囲みたい」という希望に応え、キッチンを2坪増築。従来の約6畳のスペースは約10畳のダイニングキッチンへと変わりました。
中央に配置した楕円形のダイニングテーブルは、家族が自然と集まりやすいようなデザイン。これまで隣の和室を使っていた大人数での食事も、この一つの空間で快適に楽しめるようになりました。
設計コンセプト②:心と体に優しい、自然素材の住まい
**「自然素材を積極的に取り入れる」「誰にとっても安全で、化学物質の少ない材料選び」**というコンセプトのもと、建材の選定を行っています。
国産杉無垢材の天井板で温もりを演出
増築部分の天井には、国産杉の羽目板を使用。美しい木目が照明の光を柔らかく反射し、空間全体に温かい雰囲気をもたらします。時間とともに深まる自然素材の風合いも、この家の魅力の一つです。
漆喰の壁で快適な湿度とリラックス効果を
壁には、漆喰下地用のパルプ壁紙「ルナファーザー」の上に、「ルナ漆喰」を塗装しました。さらに、塗装工事の際には陶板浴メーカー「アップワン」製造の抗酸化溶液を混ぜて施工。
この工法により、調湿効果とリラックス効果が期待できます。以前は梅雨時から夏場にかけて室内がべたついて不快だったのが、今では室内の湿度が適度に保たれ、ジメジメ感が大幅に軽減されています。
壁の漆喰だけでなく、木の板にも調湿効果や音の反響を和らげる効果があります
自然素材がもたらす豊かな効果
漆喰だけでなく、木の板にも調湿効果や音の反響を和らげる効果があります。自然素材を積極的に使うことで、以下のような効果が期待できます。
湿度の自然調整: 梅雨時期でもべたつきのない快適な室内環境。
温熱環境の改善: 木材やコルクの断熱性による体感温度の向上。
心理的リラックス効果: 木の香りや質感による癒し効果。
設計コンセプト③:バリアフリー設計|高齢者目線での安全配慮
**「80代の両親が安全に暮らせる」**ように、環境を整えました。
実現したバリアフリー要素
段差ゼロ設計: つまずきのリスクを排除し、移動の安全性を確保。
十分な通路幅の確保: 車椅子での移動も想定し、広々とした通路幅を確保。
適切な照明配置: 手元作業時の安全性を重視し、必要な場所に適切な明るさの照明を配置。
滑りにくい床仕上げ: 安全性を最優先に考慮した滑りにくい床材を選定。天然のコルクタイルは適度に柔らかいので足腰への負担も軽減します。
設計コンセプト④:広がりと寛ぎに満ちた空間へ
自然光がもたらす心地よい暮らし
新しく設けた北側の窓からは、安定した自然光が室内に拡がるようになりました。
お酒が好きな父の席の後ろには、手を伸ばせば届く範囲にお酒の瓶が並べられるようにしてあります。これまでは食事の後、暇な時はTVを見ることが多かったようですが、リフォームしてからは夫婦で会話をしながら食事・お酒を楽しんでいるとのことです。
自然素材リフォームにご興味はありませんか?
天然素材の持つ温かみとバリアフリー設計の機能性を両立させた住まいづくりにご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
千葉県・埼玉県を中心に、木造住宅の設計を手がけています。新築からリフォームまで、住まいに関するさまざまなご質問にお答えいたします。
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